「犬から聞いた素敵な話-喜びのかけ算、悲しみのわり算-」山口花

内容

【中古】【古本】犬から聞いた素敵な話 喜びのかけ算、悲しみのわり算 Wherever you are,I will always be with you. 東邦出版 山口花/著【文芸 日本文学 文学 女性作家】

中学生から楽しめる笑顔と感涙、感動の美しい短編全14話。
■飼い主から愛犬へ
①さぁ、散歩にいこう 風を感じにいこう
②こんなにも満ち足りた気持ちが、あるんだね
③君のおかげで、母はすべてを愛おしめます
④もっと知りたい もっと理解したい
⑤一匹の犬が教えてくれた 人生を楽しむ方法
⑥俺もお前も捨てられて
⑦私に必要なのは愛を伝えられる存在
■愛犬から飼い主へ
⑧女性へと変身していく双葉ちゃんを見守るよ
⑨真紀さん、だいじょうぶ あたしはここにいる
⑩ゆるりとした時間がずっと流れますように
⑪どうしたって生きるんだ 誰かを笑顔にできるから
⑫ぎこちない二人暮らし それでもいいんだよ
⑬その瞳が輝くことをボクは信じてる
⑭ただ真っ直ぐに愛するだけだね!

感想

1話読むごとに号泣したよ~。面白くもないただの感想なので、興味のある方だけ読んでね。

①さぁ、散歩にいこう 風を感じにいこう

事故で怪我をした犬を助けた優しい飼い主さん。徐々に家族になり、大きな存在になっていく感覚すごくよく分かる!コマリは今では家族の中心だもん。

いつかくる介護は今まで家族を真っ直ぐに愛してくれた愛犬への恩返し。私もコマリが生きている間、全力で愛して、最期は絶対抱きしめてやりたい。

②こんなにも満ち足りた気持ちが、あるんだね

保護施設から老犬を引き取った飼い主さん。本当に自分の飼い犬をどう扱うかはその人次第だよね。犬は飼い主を選べないから、悲しい運命をたどる犬もいる。

「初めて腕の中に抱いた時に命の重みを感じた」とあったけど、私も初めてコマリを抱かせてもらって、一生大切に育てる!という気持ちが湧き上がってきたのを思い出したよ。その気持ちはずっと忘れずにいようと思います。

③君のおかげで、母はすべてを愛おしめます

共感の嵐だったよ!共感の嵐。盲導犬パピーの「こむぎ」を育てる飼い主の話。私もパピーウォーカーに憧れたこともあったけど、今思うと1年でバイバイって辛すぎて無理だ。今コマリを手放すのと同じ時期だもんね。絶対無理。

こむぎが盲導犬になれるように、いろんな経験をさせていてすごくいい飼い主さんでした。だからこそ、思いも募るし、別れが一層辛くなるんだよね。

子犬の頃のエピソードがコマリと重なって笑っちゃった。例えば、拾い食いして口の中に入れた物を取るためにバトルしたり、ダンゴムシをじっと観察して頑固に動かなかったりとか。あるある~って共感しながら読みました。心に残った文章↓

季節がこんなにもきれいに移ろうこと、それぞれの季節に色があることを、母は知りませんでした。君と一緒に歩くことで、こんなふうにたくさんのことが見えるようになりました。今まで急ぎ足で生きてきたことが悔やまれるほどです。

最初から最後まで私が書いたんじゃないかと思うほど気持ちを代弁してくれてたよ。最後は前向きになれてよかった~。

④もっと知りたい もっと理解したい

急に暴れん坊になった愛犬に戸惑う飼い主の話。犬を育てていると、なんでそんなことするの?なんで伝わらないの?ってことがよくある。私もコマリが嫌いになりそうなことがあった。

そんな時必要なのはやっぱり勉強すること。愛犬の気持ちを理解するための努力を続けて、私も信頼される飼い主になりたい。

⑤一匹の犬が教えてくれた 人生を楽しむ方法

病気で初めて死を身近に感じ、犬を飼うことを決意した飼い主さん。私たち夫婦も仕事漬けの毎日だったから、この飼い主夫婦と重なるところがたくさんあった。犬を飼って生活がガラリと変わり、人生を楽しめるようになったのも一緒かも。

今が幸せすぎるから、いつか来る「死」に怯える気持ちが痛いほど分かる。そのことを考えるだけで怖くなるもん。ずっと一緒にいられたらいいのにね。

⑥俺もお前も捨てられて

母に捨てられた自分の境遇を捨て犬に重ね、拾って飼い始めることにした高校生の話。捨てられた事実は変わらないけど、捨てられてからどう生きるかが大事だと犬に気付かされ、前向きになれてよかった。

何より自分を理解してくれる仲間がいるって素敵だよね。青春を感じる爽やかなお話でした。

⑦私に必要なのは愛を伝えられる存在

これもめちゃくちゃ共感できた~!私も母性ゼロだと思っていたけど、コマリを飼い始めて生まれて初めて母性が芽生えたもん。

守るべき存在ができると強くなれるし、自分を必要としてくれるって本当に幸せだよね。子育てってこんな感じなのかなぁ。

⑧女性へと変身していく双葉ちゃんを見守るよ

高校生の女の子の恋を見守る犬の話。女の子が犬の散歩で好きな人に会うわけ。甘酸っぱいわ~。その変化を敏感に察知するワンコ。

子供の時から犬を飼っていると、子供から大人に成長していく思い出のすべてに愛犬がいるんだよね。なんかそれって素敵。

⑨真紀さん、だいじょうぶ あたしはここにいる

この話はネタバレされずに読んだ方が楽しめるので、これから読もうと思っている人は飛ばしてね↓

この話、まさかの叙述トリックで驚愕したよ~!真相が分かってからもう一度読み直したもん。

時計が止まったように感情が消えてしまった飼い主に寄り添う犬の話。途中まで犬が生きているかのように犬目線で語られるから分からないんだけど、感情を失った理由は愛犬の死なの。飼い主さんが心配で、死んでからもずっと寄り添ってあげてたんだね。ほんとびっくりした。

ペットロスという言葉があるように、愛するペットを失ったショックから立ち直れない人もいるけど、この飼い主は周りに支えてくれる友達がたくさんいて少しずつ前に進めました。私は絶対ペットロスになる自信があるので、多頭飼い希望です。

⑩ゆるりとした時間がずっと流れますように

一度は捨てられたけど、温かい家庭に拾われてゆったりと暮らす犬の話。途中で猫も仲間入りしてますますにぎやかに。

こういうほんわか温かい家庭で過ごせるペットは本当に幸せ者だね。

⑪どうしたって生きるんだ 誰かを笑顔にできるから

迷子になり保護された犬が飼い主の死に直面する話。飼い主は部屋で亡くなったので、犬たちはサークルの中に閉じ込められ衰弱してしまって可哀想だった。

犬目線の話だけど、やっぱり飼い主の立場で読み進めていました。自分が倒れたらコマリはどうなるのか、考えるだけで恐ろしい。今は旦那がいるからいいけど、一人の場合は自分がいなくなった後の受け入れ先も考えておかないといけないんだね。

⑫ぎこちない二人暮らし それでもいいんだよ

大好きだったおばあちゃんが亡くなって、犬に興味がないおじいちゃんと二人暮らしになったワンコ。週1回来てくれる犬好きのヘルパーさんの言葉が心に残りました↓

犬は人間に頼らなければ生きていけない動物です。その頼る相手が、自分に無関心でも、自分になにもしてくれなくても、ただ愛するために生き抜きます。それが犬という動物です。

本当にそうだよね。犬には頼る相手が飼い主しかいない。コマリも困った時、怖い時はいつも私に頼ってくる。この純粋な生き物を生涯守り抜きます!

⑬その瞳が輝くことをボクは信じてる

定年退職後の仲良し夫婦。これから二人で楽しもうという時にお母さんに治らない病気が見つかる。

悲しみに暮れるお父さんのそばにはいつもゴンが寄り添っていた。お母さんは自分がいなくなったらお父さんのことをお願いとゴンに話しかける。

普段は強がっていても愛犬にだったら弱音を吐ける、涙を見せられる。私も経験あるから本当によく分かります。犬を飼っていると大きな心の支えになるよね。心強い味方。

⑭ただ真っ直ぐに愛するだけだね!

ラストにふさわしい愛にあふれたお話。人も犬も助け合って生きていかなきゃね。

まとめ

デビュー作『犬から聞いた素敵な話』、第2作『あなたに会えてよかった-犬から聞いた素敵な話-』に続いて3作目だそうです。絶対他の2冊も読む!難しい漢字にはふりがながあるから、中学生くらいの子が読むのにぴったりだと思います。

犬を飼っている人は全員、愛犬との間に物語がある。どんな出会いをして、どんな思いで育ててきたのか、一緒に経験した楽しいこと辛いこと…想像するだけでしんみりしちゃう。

この本にはいろいろな立場の飼い主がいるから、一つはめちゃくちゃ共感できる話があると思います。愛犬と重ねて読むから感動もひとしお。犬を飼っている方にはぜひ読んでほしいです。

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